登録販売者「研修中」とは?一人立ちできる条件・実務経験2年の積み方を解説【2026年】
最終更新日:2026-05-17
登録販売者試験に合格しても、すぐに一人で医薬品を販売できるわけではありません。合格直後は「研修中の登録販売者」という扱いになり、薬剤師または経験のある登録販売者の監督下でしか働けないのです。
この制度を知らずに就職活動を進めると、「思っていた働き方と違う」というミスマッチが起きやすいです。研修中の期間・条件・制限を正確に理解しておくことが、スムーズなキャリアスタートにつながります。
ポイントまとめ
- 試験合格後、実務経験2年未満は「研修中の登録販売者」として扱われる
- 研修中は単独での医薬品販売が不可。薬剤師または管理者の監督が必須
- 研修期間の目安は1.5〜2年程度(月80時間以上の勤務月をカウント)
- 2021年の法改正で「管理者特例」が廃止され、実務経験の管理がより厳格になった(厚生労働省)
「研修中の登録販売者」とは何か?
「研修中の登録販売者」とは、登録販売者試験に合格したものの、直近5年間での実務経験が2年未満の者を指します(厚生労働省、医薬品医療機器等法施行規則より)。合格イコール即戦力ではなく、実務を通じた研修期間が制度上に設けられているのが特徴です。
研修中の登録販売者は、正式な「登録販売者」と区別するために、名札や勤務表に「研修中」と明記する義務があります。お客さまから見ても区別できるようにする目的があります。
研修中に受ける制限は何ですか?
研修中の登録販売者には、3つの主な制限があります(厚生労働省、医薬品医療機器等法施行規則第15条の2より)。
| 制限事項 | 内容 |
|---|---|
| 単独販売の禁止 | 一人での医薬品販売・相談対応が不可 |
| 監督義務 | 薬剤師または管理者(経験者登録販売者)が同一店舗に在籍必須 |
| 管理者就任の禁止 | 店舗管理者にはなれない |
単独での医薬品販売が禁止される理由
医薬品は使い方を誤ると健康被害が起きる可能性があります。研修中の登録販売者は試験の合格知識はあっても、実際の接客対応・相談対応の経験が浅いためです。
薬剤師または管理者が同一店舗内に存在することが条件です。同一フロアである必要はありませんが、すぐに連絡・確認できる状況が求められます。
店舗管理者にはなれない
店舗管理者とは、薬局・ドラッグストアの医薬品販売に関する責任者のことです。研修中の登録販売者はこのポジションに就くことができません。管理者になるには、後述する実務経験2年以上の条件を満たす必要があります。
一人立ちできる条件は何ですか?
一人立ち(研修中から正式な登録販売者への移行)には、直近5年間で通算2年以上の実務経験が必要です(厚生労働省、医薬品医療機器等法施行規則第15条の2)。具体的なカウント方法を理解しておくことが重要です。
実務経験のカウント方法
月ごとのカウント基準は次のとおりです。
| 条件 | カウント |
|---|---|
| 月80時間以上の医薬品販売業務に従事 | 1ヶ月としてカウント |
| 月80時間未満の勤務月 | カウントされない |
| 通算24ヶ月(2年)に達した時点 | 研修中を脱する |
つまり、月80時間以上の勤務を24ヶ月積み上げることが条件です。週4日・1日5時間勤務(月80時間)でも条件を満たせます。
パートやアルバイトでもカウントされる
フルタイムの正社員でなくても、月80時間以上の勤務であればカウントの対象です。主婦のパートタイム勤務でも、コツコツと実務経験を積めます。ただし、医薬品販売業務(登録販売者として医薬品コーナーに従事した時間)のみがカウント対象で、レジ打ちや品出しのみの時間は含まれない点に注意が必要です。
この研修中制度は、登録販売者という資格が「試験合格で完結する資格ではなく、就職して実務経験を積むことで初めて完成する資格」であることを示しています。独立開業やフリーランスの活用を想定した資格ではなく、ドラッグストア・薬局などへの就職が前提となっている資格の特性そのものです。資格取得後の就職先選びは、実務経験を効率よく積める環境かどうかという視点が非常に重要になります。
2021年改正で何が変わった?
2021年8月の薬機法改正施行規則の改正により、「管理者特例」が廃止されました(厚生労働省、令和3年8月1日施行)。この変更は、研修中制度の運用に直接影響しています。
改正前の制度では、実務経験2年未満でも一定の条件下で店舗管理者として登録される「管理者特例」がありました。この抜け道を使えば、研修期間を実質的に短縮できる状況が存在していたのです。
改正のポイント
| 項目 | 改正前(〜2021年7月) | 改正後(2021年8月〜) |
|---|---|---|
| 管理者特例 | 一定条件で実務経験不足でも管理者登録可 | 廃止 |
| 実務経験の管理 | 比較的緩やか | より厳格な記録・管理が必要 |
| 研修中の表示義務 | なし | 名札等への「研修中」表示が義務化 |
改正により、実務経験2年以上という条件を正面から満たすルートのみになりました。雇用する企業側も、研修中登録販売者の勤務記録を正確に管理する義務が生じています。
研修中を脱するための具体的なステップ
研修中から正式な登録販売者になるまでの流れを、ステップごとに整理します。
ステップ1:月80時間以上の勤務を確保する
まず勤務条件を確認しましょう。月80時間を下回る月はカウントされません。週4日×1日5時間でほぼ達成できます。求人票で「登録販売者として医薬品販売業務に従事できる」かどうかを確認してから応募することが重要です。
ステップ2:勤務実績を記録・管理する
雇用主は研修中登録販売者の実務経験記録を管理する義務があります。自分でも月ごとの勤務時間・業務内容を記録しておくと、後のトラブル防止になります。
ステップ3:2年経過後に都道府県へ届出
実務経験が2年(24ヶ月)に達したら、勤務先の管理者を通じて都道府県への届出・更新手続きを行います。手続き後、「研修中」の表示が不要となり、店舗内での単独対応が可能になります。
研修中でも給与は変わりますか?
研修中だから給与が大幅に下がる、という制度上の規定はありません。ただし、実態として「研修中は資格手当が半額」「正式移行後に資格手当が満額になる」という給与体系を設けている企業は多くあります(リクルート、登録販売者の給与実態調査より)。
| 状況 | 資格手当の目安 |
|---|---|
| 研修中 | 月0〜5,000円(企業による) |
| 研修中解除後(正式登録販売者) | 月5,000〜10,000円 |
就職・転職活動中に「研修中の扱いはどうなるか」を企業に確認しておくことを勧めます。
よくある質問
研修中でも給料は変わりますか?
研修中であることで法律上の給与制限はありません。ただし、多くの企業では研修中期間は資格手当が減額または未支給となるケースがあります。正式な登録販売者になると月5,000〜10,000円の資格手当が満額支給されるケースが一般的です(リクルート、登録販売者の給与実態調査より)。入社前に給与体系を確認しましょう。
パートでも実務経験としてカウントされますか?
パートやアルバイトでも、月80時間以上の医薬品販売業務に従事した月であればカウントされます。週4日・1日5時間(月80時間)の勤務でも条件を満たします。ただし医薬品販売業務に従事した時間のみが対象で、品出しやレジ専従の時間は含まれません(厚生労働省、医薬品医療機器等法施行規則より)。
研修中の期間はどのくらいですか?
月80時間以上の勤務を続けた場合、最短で**24ヶ月(約2年)**で研修中を脱せます。月80時間に達しない月があるとその分だけ期間が延びます。フルタイムで1日8時間・週5日勤務なら概ね2年で達成でき、パートタイムでも月80時間を維持すれば同じ2年で一人立ちが可能です。
まとめ
登録販売者の「研修中」制度は、試験合格後に必ず通過するステップです。要点を整理します。
- 試験合格後、直近5年間で実務経験2年未満は「研修中」扱い
- 研修中は単独での医薬品販売が不可。管理者の監督が必要
- 月80時間以上の勤務月を24ヶ月積み上げることで研修中を脱する
- パート・アルバイトでも月80時間を満たせばカウントされる
- 2021年改正で「管理者特例」は廃止。正規ルートのみで実務経験が必要
研修中の制約は「合格しただけでは不十分」という印象を与えるかもしれませんが、裏を返せば「就職して実務を積めば2年で一人立ちできる」という明確なゴールでもあります。まずは登録販売者として医薬品販売業務に従事できる職場への就職が、最初の目標です。
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※本記事の内容は2026年5月現在の法令・制度に基づいています。制度の詳細・最新情報は厚生労働省または各都道府県の公式サイトでご確認ください。本記事のリンクにはアフィリエイト広告が含まれます。